MATSUKI CO.,LTD.

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2024SS MILANO UNICA REPORT

1/31-2/3の3日間、イタリアのミラノにて2024年春夏シーズン向けの素材展示会であるMILANO UNICAが開催されました。

近年は新型コロナウイルスの影響もありアパレル業界を取り巻く環境は大きく変化しています。そんな中で開催された今回のミラノウニカは、各国の出入国に関する規制が落ち着いてきたこともあり世界中から多くの来場者が訪れました。人々が戻り、活気に満ちた会場からはポジティブでエネルギッシュな空気をとても感じ印象的でした。

 

今回のテーマは<SUPER POWER>。

<素材が持つ可能性、エネルギー、底力>というような意味が込められているようです。テーマであり、素材メーカーの意志表明でもあるように感じました。

最近の素材トレンドとして通年素材や機能系の素材など、万能性や扱いやすさを謳ったものが多かったですが、24SSシーズンに向けては季節感を感じる素材やより直感的に格好良いと思える素材などの提案が目立っていました。これは前回のウニカ(23AW向けの提案)あたりから感じる大きな傾向の一つで、夏はリネンやシルクブレンド、冬ならフランネルなどその季節を感じ楽しむための素材提案です。外出や旅行など人々の流れは世界的に回復しており、そんな市場の温度感も踏まえてかリゾートや旅をテーマにしたコレクションも多かったです。そのため鮮やかなカラーの打ち出しはここ数年で一番多彩であり、これも24SSの傾向の一つです。

ベースカラーはライトグレーやライトベージュなどライトカラーが目立ち、差し色にはベリー系のパープルやピンク、明るめのグリーンなどトーンの明るいカラーが24SSシーズンを彩ることになりそうです。

一方でメンズドレスシーンのクラシックスタイルは英国トレンドが継続しており、春夏シーズンを意識したライトカラーのモダンな提案とは対照的なダークカラーのクラシックパターンも目を引きました。ミディアム〜チャコールグレーのストライプなど定番といえるものがより引き立っていたのとも興味深いポイントです。トレンドの変化のスピードは一層早まっている今日ですが、そんな環境が<定番品>を逆に際立たせることになっているのだと思います。この二つの大きな軸をバランスよく扱っていくことがメンズドレススタイルでは重要になっていきそうです。

 

今回はウニカの他にイタリアやイギリスのメーカー本社へ出向き商談をしてきましたが、エネルギー問題は依然として大きな課題として立ちはだかっており、ものづくりを取り巻く環境は厳しいままです。そんな中でも各社工夫を凝らし、前を向き、ポジティブに先を見据える姿勢が印象的でした。というテーマの裏側で、<生地の可能性>を信じてやまない人々がそれを支えているのだと強く感じた意義のある出張でした。
24SSのMATSUKIコレクションを楽しみにしていてください!

Words : Takuya Ito